真珠は様々な母貝から作られます。真珠ができる貝は、貝殻の内面が美しく真珠光沢のあるものでなくてはなりません。主な貝としては、海水産のシロチョウ貝、クロチョウ貝、マベ貝、アコヤ貝、インドアコヤ貝など、淡水産のカワシンジュ貝、イケチョウ貝などがあります。
真珠の鑑別や評価は、光沢、形、大きさ、色、傷、シミなど多くの条件に左右されるので、他の宝石より難しいと言われています。 最高級の真珠は、まん丸、照りが良い、厚い真珠層を持ち、表面のキメが細かい、傷がないなど全ての要素を備えていなければなりません。しかし、このような「特花(とくはな)」と言われる完全で欠点のない真珠は、実際にはなかなかありません。養殖真珠は、貝に核を入れる以外は自然の営みに任せるわけですから。
真珠独特の光沢は、表面的なものでなく、内部からくる照りによるものです。上から見て、輪のような光の穂先がほんのりとあり、重厚な感じがするものが良いのです。このような玉は、真珠層が厚く、その品質を長く保ち続けます。
ピンク、シルバー、クリーム、ゴールド、グリーン、ブルー、ブラックの7系統に大別されます。
真珠の色についての好みは、国、地域、人種によってまちまちで、評価も違い、時代によっても変わっていきます。
まん丸の、いわゆる真円真珠が最高ですが、異形真珠(バロック玉)もそれなりに評価されます。バロック玉は、カジュアルや遊び的なファッションによく用いられるようになりました。
アコヤガイ真珠は8㎜、9㎜玉が一般的に喜ばれますが、大玉の南洋真珠、黒真珠も人気があります。欧米では、南洋真珠が好まれています。
真珠の評価は傷の有無、大きさ、数、位置、ふくらみかくぼみかなどによって、大きく左右されます。しかし、天然の営みにほとんど任せる養殖真珠は、無傷なものはめったになく、どこかに一つぐらいは針先でついたような傷があります。従って、このような一点傷は、真珠の価値にほとんど影響しません。しかし、傷やツブツブの突起が2か所以上ある真珠は、指輪にはあまり向きません。
真珠の主成分は、炭酸カルシウムなので、酸、アルカリ、熱などを嫌います。しかし、正しい取扱い、手入れ、保存をすれば、何世紀もその光沢を持ち続けます。次のことに気をつけて、ご愛用の真珠製品を可愛がってください。
ナフタリン、ベンジン、ヘアスプレー、オーデコロン、香水、家具の接着剤に使われているホルマリンなどは要注意です。果汁の中でもミカンが特にいけません。
香水やオーデコロンは先に使い、乾ききってからネックレスやイヤリングをつける、新しい家具にしまうのは、接着剤のにおいが抜けてからにする、日常の水仕事や入浴の時は身につけないなどが肝心です。
(モース硬度=鉱物の硬度の基準。最も柔らかいものを1、最も硬いものを10と設定してあります。)
真珠は、汗、手垢、油、化粧品などの影響を受けます。使ったら、その都度柔らかい布や鹿皮などで優しく拭くようにしましょう。ひどく汚れたら無理な扱いをせず、真珠専門店に相談してください。